14年01月30日//港北区で長尺シート貼りの見学その1 



Web担当女子による現場研修、第5弾はマンションに向かいます。
マンション…ちょっと素人の私たちにはハードルが高いのでは?と思われるかもしれませんが、作業場所は階段です。ここなら足場に登る必要もありませんし、足元も安定しています。その階段で長尺シート貼りの作業を見学します。
朝、事務所に集まったWeb担当3人を迎えに来てくれたのは塗装技能士の曽根カズ。今回は珍しく車の渋滞もなくスムーズに現場に到着です。

道具の入った腰袋 施工する建物は港北区富士塚にあるマンション。ここの現場では外壁タイルの補修や軒の塗装などが進められています。実は、昨年に外壁や内壁の塗装をさせていただいている建物です。 現場に到着してしばらくすると、今回の作業を主導するもう一人の職人・島田が到着。彼の腰袋には今日使う様々な道具が納められています。T字型の地ベラやカッター、ハンマーといったものがたくさん。カッター類は落してしまわないようにコイル状になったロープに取り付けられています。いつも塗装の現場で使わてているものとは種類が違うのでなんだか新鮮な感じがします。以前、山之内がヤッケのポケットにケレン道具などを入れており、ドラえもんの4次元ポケットだと言っていたことをふと思い出しました 笑
全員揃ったところで、いざ階段に向かいます。


ここで言う長尺シートとは、防滑性や防音性のある床(階段)用シートを指しています。 タキステップの切れ端 代表的なものには、タキロン株式会社の「タキストロン」「タキステップ」といったものがあり、この現場でも使用します。今日使うシートはダンボールの筒に巻き付けられたロール状の形態。メーカーに注文して幅の長さをカットしてもらった踊り場用2種類と、階段の踏み板用のものを貼ります。
踊り場部分は一枚のシート状のものですが、踏み板部分には先端(段鼻)にゴムが付いているので素材自体の滑りにくさに加えて防滑性能があるのです。階段なのでツルツル滑って転倒してしまうと大変ですよね。
また、共有部なのでヒールや靴の衝撃音が響いてしまうのも困りもの。これらのシートで音が響くことを抑制させます。

まずは階段の最上階へ向かいます。
昨年の作業風景を写真や動画で見たことはあるのですが、実際に塗装が仕上がっている状態を見るのは初めて。内壁と手すりの笠木などきれいに塗り分けされていました。階段下にあたる軒は手が届かないため、長柄で塗っていたな、などと思い出しながら眺める私たち。

長尺シートの位置調整 最上階ではまず、踊り場にシートを乗せます。階段の側げたにはウレタン防水が施されています。階段の壁との塗り分けもきれいな仕上がり。
ロール状のシートを筒から広げて床に置き、曽根はその場にとどまり島田が階段下から確認しながら 位置の調整をしていきます。少しずらしては曲がっている、逆に動かしてもまた曲がっている…と何度も何度も繰り返して位置調整。
一体何を見て判断しているのかと思ったら、シートに付いている模様がまっすぐになっているかどうかということでした。階段下から屈んで見ることで、模様の歪みが見えるようなのです。同じような体勢になると確かに少し模様がずれているのがわかります。これを数ミリ単位で微調整して真っ直ぐにします。長尺シート貼りは機能性もさることながら、やはり見た目も大切なので細かなところにも気を遣ってきれいに貼り合わせられるようにしていきます。

この位置調整が終わりましたら、踊り場のサイズに合わせてシートをカットしていきます。このとき、このシートをトーチ(ボンベ型のバーナー)で炙ります。一体何をしているのかというと、火で炙ることでシートが柔らかくなり、コーナーや端も曲がりやすくなるのです。
最初はどういう意味があるのかわからなく、炙ることでシートの裏にでも付いている接着剤のボンドが溶けてくっつくのかと聞いたら、島田に「ボンドを炙ったら爆発しちゃいますよ! 笑」と言われてしまいました。爆発…こわいですね…。
長尺シートをヘラで押し込む
炙って柔らかくなったシートはヘラで踊り場の形状に沿って押し込み、そのまま押さえた状態で、まず両端をカッターで少し切り取ります。その後、床材用のコーナーカッターを押し出すようにして一直線に切断していきます。長さの微調整をするときはヘラで押さえながら通常のカッターで切っていました。専用カッターで切るのは難しそうですが、真っ直ぐに切れたら気持ちよさそうだなと、傍から見ているとそう思ってしまいます。このあと島田から、何度か私たちに切る作業をやってみるかと聞かれたのですが、切断してしてからやり直しが効くわけではないので今回は見学に徹しました。

踊り場の先端にもステップを取り付けます。このとき結合部の模様を合わせるためにパタパタとシートをめくるような動作をして2枚の模様をきちんと揃えていきます。それから縦の長さを合わせてカッターで裁断。切り終えたあとは両側の模様がぴったり揃っていてとてもきれいです。このような細かい部分に職人の技とこだわりが光っているのだと思います。

コーナーの長尺シートを切る 上の踊り場は直線なのですが、それ以外は丸みのあるコーナーなので、形に合わせてカットするのも大変そうでした。曲線部分はいくつか縦に切り込みを入れて、斜めに少しずつ切っていくときれいなカーブに仕上がるようです。繋ぎ目部分にはテープで仮止めをして、その上に乗ってもずれないように固定しておきこの場所は完了です。

これを何度か繰り返したところでお昼休憩を取ることになりました。
私たちは曽根の車に乗ってそれぞれ持参した昼食をとります。今回は自分たちで作業することはほとんどなく(作業の度に出るゴミを運ぶくらいでしょうか)、体力を使ったわけではないのでのんびりと休憩をとって次の作業に備えます。