14年01月30日//港北区で長尺シート張りの見学その2 



タキステップのカット 午後からは別の棟の踊り場でシートのカットを行いました。
マンションの階段全てに貼るため、踏み板も入れるとかなりの数をこなすことになります。また、ベランダにもシートを貼るようなので今回の施工ではかなりの長尺シートを使用することになるのではないでしょうか。
お昼からしばらくたった頃合いで、なんとこちらのマンションのオーナー様から飲み物の差し入れをいただきました。飲み物の選択にまで細かなお心配りをいただき、一同感謝感謝です。
島田と曽根がまだ作業をするなか、私たちは早めの休憩をとることに。昼過ぎから少しずつ曇り始めてポツポツ雨が降っていたのですが、車内に戻るころには雨脚が強くなって本降りになってしまいました。シートは雨にぬれると伸縮してしまうのですが、本降りになる前にカットは終えられたので一安心。休憩後は、いよいよボンドでシートを貼っていきます。

専用ボンドの缶 雨が強く降っているため、空はどんよりと暗くなり階段は特に薄暗くなっていました。
今回の作業で使用する床用ボンドの臭いは強烈だと脅され、若干不安になる私。普段、シンナーの強烈な臭いの中でも作業をしている職人が言うくらいなのだから、一体どれほどの刺激臭だろうと思っていると…想像していたよりは臭くありませんでした。私にはシンナーの方が強烈で苦手な臭いです。
井上がこのボンドを「昔遊んだ、チューブに入った液体をストローで膨らませる玩具の臭い」と例えていたのが言い得て妙だなと思う、そんな昔を想起させる臭いでした。ちなみにその玩具は風船玉やプラ(ポリ)バルーンと呼ぶそうです。

階段に専用ボンドを流す 話を戻して、その床用ボンドを階段の踏み板に塗布していきます。缶から流し込んだあと、ヘラで平らにまんべんなく広げていきます。作業をしている間近で見ているとさすがに臭いは鼻につきます。本田は酔いそうとも言っていました。
ボンドを塗布したあとは、この上にシートを貼っていきます。踏み板なので先端にゴムがついたシート、タキステップを使用。これを曽根が先ほどのようにトーチで炙って、柔らかくしていきます。
そして裏返すと先端の所には両面テープがついているのですが、さらにボンドを注入してから貼ります。このとき使用したボンドの形状が、カートリッジ式(1液)シーリング材に似ていたのでシーリングを打っているのかと思ってしまいました。

ハンマーでシートを圧着 準備ができたシートを島田に手渡して、ボンドを塗布した踏み板と蹴込み板にぴったり貼り付けます。階段からはみ出た部分をカッターで切った後は、しっかりシートを定着させるためにハンマーでガンガン叩きます。さらに、その上からローラーをコロコロ転がして圧着させていきました。ここで使ったハンマーを持たせてもらいましたが、よくイメージにあるようなズッシリした重さはなく適度に重みがあると言った感じでしょうか。ローラーも塗装で使うような柔らかいものではなく、硬質なものを何種類か使っていました。

この作業を繰り返しているときに、郵便配達の方が階段を上ってきました。困ったことに階段にはボンドが塗布してあるので、そのままでは歩くことができません。そのためシートを一時的に乗せて、その上を通ってもらったのですが、剥がしてみると裏には案の定ボンドがべったり。これをトーチで炙るのは危険なのでは…と少しビクビクする私たち。一方島田は何か策があるのか、曽根から受け取ったシートを先ほどのようにトーチで炙っていきます。ボンドがついているところは避けるようにしていたおかげか、しっかり炙っても何事もなくすんだので一安心です。

長尺シートを張り終えた階段 着々と作業を進めているように見えた島田ですが、だんだんと表情には疲れが見えてくるように…。
実は、一つの階段でも一段一段高さも幅もバラつきがあるようなのです。全て同じ寸法では大きさが合わないので、一段ずつシートの長さを調整していきます。この作業を階段の最下段まで繰り返したのですが、さすがの島田もだいぶ参っていた様子。それでもしっかりシート貼りを終えて本日の研修は終了となりました。

シートを貼り付けたボンドからはガスが放出されるので、ガス抜きをしてから溶接をしてしっかり固定させることで完了となります。
後日、踊り場にもカットしたシートを同様にボンドで接着させていきます。今回のようにシートを貼るのは階段・踊り場だけではなくベランダの床にも貼ります。滑り止めや衝撃音吸収といった性能に加え、細かな模様が入っているシートなので見た目にもおしゃれな仕上がりになりそうです。

道具の片づけを少し手伝ったあとは、曽根の車で東神奈川駅まで送ってもらい帰宅。のはずだったのですが、間違って反対方向の電車に乗ってしまったWeb担当3人。すぐに気付いたので、引き返して横浜駅で解散となりました。 現場研修にあちこち同行すると、普段は利用していない路線も使うので迷うこともありますが、そのうち今よりは少しだけ地理に強くなれるのでは…とも思ったりします。

今回の現場では、ほぼ職人の作業を見たり、撮影・録画する機会になりました。
長尺シート貼りは動画で作業風景を少し見たことがあるくらいの知識だったので、模様合わせからカット、ボンド塗布、シート貼りと一連の流れが詳細に掴めて勉強になりました。階段の幅と高さがぞれぞれ違うというのを置いておいても、シート貼りは手間と労力がかかるのだと実感。細部まで気を遣ってカット、貼り上げていく工程は職人のプライドのようなものがひしひしと伝わってくる、そんな研修でした。