13年12月05日//栄区で外壁塗装体験 その2 



休憩後は外壁の下塗りに入ります。

旧塗膜のひび割れ

こちらのサイディングは既存の塗膜に細かいひびがたくさん入っている状態。川口と一緒に見て回った時に、これは以前の業者が塗装をした際、下塗りがしっかり乾く前に水性塗料を重ねてしまい塗膜がひび割れたのでは…ということ伝えられました。そのため、シーラーをたっぷり塗布することでこの塗膜をガッチリ固めていくとのこと。

足場に登る姿
その下塗りは川口と同じく、塗装指導員という免許を持つ職人・星野ともう一人のWeb担当、本田と一緒に行うことに。
浸透性シーラーの缶を、皮スキという金ベラを使用して缶切りの要領で開封する星野。蓋にはさらに小さな切り込みを入れて、そこに紐を通して結んでいます。これは一体何なのかと不思議に思っていると、その紐は足場とも結ばれており、星野は足場の最上階から井戸の水汲みよろしく紐を引き上げて缶を上に運んでいきました。塗料缶がいくつもあると上まで持っていくのも大変ですよね…。






わたしたちも足場に登り、星野に塗り方をレクチャーしてもらってから下塗りに挑戦です。

シーラーで外壁の下塗り

足場上から下塗り体験

シーラーはさきほど塗っていたプライマーとは違って、水のようにサラサラの液体。 ローラーに含ませたら、適量になるように切ってもまだポタポタ滴り落ちてきます。
塗布するときはまず横に塗っていき、下屋根などがある場合は壁の下ぎりぎりのところは避けて塗布。 上部からシーラーが垂れてくるので材料は付け足さずに今度は縦にローラーを転がして、垂れてきた材料をもう一度全体に行き渡らせていきます。
このとき、先ほど避けた下側も一緒に塗るので、垂れてしまうシーラーを適量に調整しているというわけなんですね。
シーラーは乳白色ですが、実際に塗ると透明。色がつくわけではないので、塗り落しがないように慎重にローラーを転がしていきました。

この頃になると、わたしはだいぶヘトヘトになってきています。 ちょうどいい頃合いでお昼休憩の合図。
外でみんなでご飯を食べます。この頃には晴れ間も広がり、気温も上がっていたので少し暑いくらいでもありました。
職人3人はそれぞれお弁当を持参していて、Web担当のわたしたちは3人とも買ってきたものという、とても対照的な昼食風景でした。
その後は外壁の中塗りに入ります。
本来は中塗りまで行う予定ではなかったようですが、想像していたより作業がスムーズに進んだということと、天気もよく塗料の乾きが速かったので次の工程へ。

中塗り塗料の撹拌

星野が中塗りに使用する水性シリコンセラUVに水を入れて希釈・よくかき混ぜます。この中塗りに入る前に、わたしは曽根カズが担当している門塀塗装の方も覗いてきました。

曽根カズが作業中の門塀は、下地調整で古い塗膜を削り落したところなので、次は下塗りに入ります。

塗料用の着色料

このときの下塗り材には色がついていたので、元からこういう材料があるのかと聞いたところ「コべック」という水性塗料用の着色料で色を付けたそうなんです。
では、下塗り材に色をつけたのは何故なのでしょう?
答えは、門塀を厚膜に塗装して、養生を剥がした際に端っこの断面から白い下塗りが見えないようにするためとのこと。ただ、断面が見えることはまず無いらしいのですが、念には念を入れて白が見えないように色つけしていたんですね。

門塀の下塗りダメ込み

Web担当3人のうち、もう一人の女子・井上が門塀のダメ込みを刷毛で済ませていました。ダメ込みとは、ローラーが入りにくい箇所を先に刷毛や小さなローラーで塗っておくことです。塗り落しや掠れを防いで、ローラーで全面塗装するときに塗りやすくしておきます。

ローラーで門塀の下塗り

曽根カズがローラー塗装をしている最中に、わたしも少し塗らせていただくことに。
この下塗り材は、けっこうもったりした感じなので少し重みを感じます。
まず、この辺りまで塗るという大体の範囲を決めてそこにローラーを縦にジグザグ転がします。 職人は材料を配ると言っていますが、塗るというより塗料を置いておくという感じです。
それからローラーを横に転がし、最後に縦に転がすことできれいに仕上げる。 と文字にすると簡単に見えますが、体験した感想としては難しいです…。
ダメ込みしたところは、しない場合に比べて塗りやすくなっているのだろうとは思いますが、ローラーを真っ直ぐに転がすことができないわたしには笠木に付着させそうで怖々塗装していました。

サイディング外壁中塗り

ここで門塀チームからは離脱して、外壁の中塗りに参加です。
外壁の中塗りに挑戦 やはり星野にレクチャーしてもらってからローラーを転がします。横張りのサイディングボードに沿うように転がしていくのですが、目地があります。軽~く転がすだけでは奥まで塗料が付着しないので、少し力を入れて塗り込んでいきます。
次に縦にも転がして掠れやムラをなくして仕上げました。
驚いたのがシーラーでの下塗りと、この中塗りではローラーを転がす重みが全く違うということ。
朝からずっとローラー作業をしていたというのもあるとは思いますが、だんだん腕に力が入らなくなってしまう始末。 足場の下側を塗るときは、片手ではローラーをポロリと落としてしまいそうだったので両手で塗り進めました。
途中、休憩をはさみ、門塀の下塗りを終えた曽根カズも合流して中塗りが完了しました。



一方、川口はひとりで軒の中塗りから上塗りまでを終えていました。
中塗りからは無泡ローラーを使用して塗装していたようです。このローラーは塗装面の気泡の発生を抑えて、きれいな仕上がりになるものです。場所や用途によって道具を替えて塗っているんですね。だから 職人の車にはいろいろな材料・道具類が所狭しと積まれているのだな、と合点がいきます。

このとき16時になるくらいの時間、この日に行う予定のことは全て終えられたのでわたしたちWeb担当は一足早く解散することに。
それでもお宅の手直しや材料の片づけがあるため、川口と星野は残って仕事を続行していました。
素人同然のわたしたちがお邪魔して、勝手が違ったり修正をしたりと大変だったと思いますが、 普段机上の知識としてしか得られていないたくさんの情報を体感として手に入れられるという、とても貴重な体験ができました。

副産物として、帰宅時の電車の中ではかなりぐったりでしたし、すでに筋肉痛にもなっていました。 あまりどこかにぶつけた記憶はないですが、膝に青あざができていたりと、やはり現場はハードですね。
職人が何気なく行っていることにも、技術や経験があるからこそ、そのように見えるということを痛感。 塗装は体力勝負なハードさの一方、細かなところまで神経を使う繊細な仕事も多く、どちらも兼ね備えている 職人たちは本当にすごいなぁと、ただただ感心してしまいます。
今回のお宅でのWeb担当女子3人による塗装現場の研修はこれにて完結ですが、まだまだ他の現場にもお邪魔しているので乞うご期待下さい…!