本日の現場は横浜市都筑区すみれが丘。塗装職人の事務所から職人・曽根カズの車でお宅まで向かいます。
この周辺は閑静な住宅街。周辺にはおしゃれな洋風のお宅があちらこちらに建っていました。
今回伺ったお宅はモルタル外壁の戸建てで、1階と2階で外壁の色がツートーンカラーになっています。
玄関やベランダの壁にはレンガが使用されていて、とてもモダンな外観です。
外壁や屋根塗装も行うので、職人は曽根の他に一級塗装技能士の竹内、防水を担当する島田の計3人で施工。
わたしたちが到着したときには、竹内・島田はすでに準備に取り掛かっています。前回の現場で研修した時も思いましたが、とにかく職人は朝早くから仕事をしていますね。
わたしたちも朝7時10分頃には事務所を出発しているのですが、道路が混んでいたりすると
なかなかスムーズには到着しません。
お宅の前でわたしたちも準備をしているときに、ちょうどお客様とお会いしたので、ご挨拶をしてから
いよいよ職人の作業についていきます。
今回防水工事をする場所は2箇所のバルコニーです。そこで使用するクロスというメッシュ状の布を切ることから開始。
このクロスを下地に張ることで、下地が衝撃や歪みで動いても上の防水層への影響を緩和させてひび割れを抑制する役割があります。
元々のメッシュはロール状になっているので、バルコニーのサイズに合わせてハサミで裁断。道路にメジャーを伸ばして、その隣にメッシュを広げたら縦の長さ2m58cmに印をつけてから横に切ります。これは、わたしの先輩であるWeb担当・本田が挑戦。
今度は横の長さ74cmを測って縦に切るのですが、縦の長さがかなりあるので真っ直ぐに切るのは大変…。どうしようかと考えていると島田から助け舟が。
このメッシュをくるくると折りたたんで小さくして、それから印をつけて切ればいいとのこと(!)
この折りたたみをわたしが、それから井上が裁断と3人の共同作業でクロス切りが完了。
普段、島田ひとりで行うなら、この作業に数分しかかからないだろうな…と思いながら次の工程へ。
ここからはすでにウレタン1層目が完了しているバルコニーでの作業。
形成した防水層に発生してしまった、小さくプツプツとした巣穴を補修します。島田いわく、ウレタンを流してから巣穴ができてしまうことはあまり無いらしく、それだけ下地の状態が
悪化していたようです。
実際に塗布する前に、まずはパテの材料を作っていきます。
防水の材料は誤差が出ると固まらなくなってしまため、秤できっちり計量して使用します。ウレタンの材料(主材と硬化剤)に対して10%のシンナーを加えて希釈。
電動の撹拌機で本田が混合しました。缶を足で挟んで押さえておかないと飛ばされてしまうようで、このとき動画を撮っていたわたしも撹拌機の回転の威力にはびっくり。島田に交代して更によく撹拌し終えたら、いざ巣穴埋めです。
足場に登ることはだいぶ慣れたのですが、バルコニーに降り立ったり出たりというのは、また違った腕の
筋力を使用している気がします。
現場研修での移動は、どことなく小学校時代の休み時間中に遊具などに登ったりして体を動かしてる感覚に近いのではないかと個人的に思いました。危険度は、もちろんこちらの方が遥かに高いのですが…。
さて、巣穴を埋めるときに使用する道具はゴムベラです。
このゴムベラは使っているうちに傷がつくことがあるのですが、
そのまま使用すると塗布した所に線が出てしまうことがあります。
これを防ぐため、平らなところで擦ってなだらかにしておきます。
撹拌したパテ用のウレタンは、かなり固めの材料。ゴムベラに少量とって、巣穴の上に乗せたらヘラで平らにしつつ穴を埋めていきます。
一定方向に動かさないときれいに仕上がらないので、上から下、右から左と凹凸が出ないようにならすのですが、
島田がやるようには平らにならず感覚がつかめません。
そんなときに島田からのアドバイス。ヘラは立てて動かすと材料が薄く伸ばされ、寝かせて動かすと厚みが
つくそうです。穴の部分はヘラを寝かせて厚みをつけ、材料の端は周囲と馴染ませるように立たせると、
さきほどよりは仕上がりがよくなった気がします。
この巣穴埋めを繰り返していくのですが、埋めたところを踏まないようにしながらの作業はちょっと大変です。
バルコニー内には3人が同時に作業しているので、お互いの足の踏み場を確保しながら進めていきます。島田は立ち上がりの下辺りにできている段差も平滑にしていました。
巣穴埋めを完了させた後は、もう一つのバルコニーの立ち上りにウレタンの1層目を塗布します。
足場を降りて材料の準備に取り掛かります。
このとき、さきほどのバルコニーから出ようとしたのですが、降り立つときとは違って足場分の高さがないので足をかけてよじ登るような状態。本田は出入りどちらも身軽に移動していたのでびっくりです。
材料の準備では島田が計量しましたが、撹拌はわたしも挑戦。撹拌機のハンドルを握って、スイッチを入れるとバドルという撹拌羽根が高速回転します。
しっかりハンドルを握っていないと手から離れてしまいそうな勢いですし、缶も足でガッチリ固定しています。なかなか辛い状態の中、撹拌機を缶の四隅に当てるようにして全体を混ぜ合わせていきました。
仕上がりの目安は材料の透明感が消えるくらいとのこと。さらに島田に撹拌してもらって完成です。
実はウレタンと一口に言っても、場所によって使い分けをしています。今回は立ち上りなので、あまりダラダラと
垂れてこない立ち上り専用の材料ですし、床には平場用を使います。
以前は立ち上りに使うウレタンにはパウダーを入れて、固さの調整をしていたようです。ただ、なじまなかったり塗布したときの線が消えないということもあったそう。
準備が完了したら、さきほどのパテよりは少しゆるい材料を刷毛で立ち上りに塗っていきます。
島田のお手本を見てからわたしたちも挑戦。ですが、わたしは不器用なせいもあって思うように塗布できません。
「塗るというより置くんです。」と言われるのですが、なかなか感覚がわかりません。
もう一度島田が塗布しながらレクチャー。壁と立ち上りのギリギリのところに、かなりたっぷり
材料を置くようにして垂れてくるところを刷毛ではらうように伸ばしていくようです。
床に垂れてきた材料は、そのまま横にスライドさせるように伸ばします。
少しコツが掴めたので、着々と塗りながらサッシの下へ塗り進めていきます。立ち上りの上には
すぐサッシのレールがあるので、材料を付着させないようにこわごわ、ゆっくり乗せていきます。
立ち上りのウレタン塗布が完了したので、今度は先ほど裁断したクロスを張っていきます。
もう一度材料を準備したら、クロスは一度に張らずに、折りたたんだものを少しずつ広げてウレタン塗布。
塗り終えたら、また広げるというように繰り返していきます。今日使用するクロスはシワになりにくい材質のようですが、ローラーを転がすときは、必ず一定方向に転がさないとぐちゃぐちゃとシワになってしまうとのこと。
まず、本田が挑戦して次にわたしも塗布します。今回のウレタンは、塗装でいうと以前の研修で使用したシーラーよりはどろっとしていますが、中塗り上塗りのシリコン塗料よりは、若干緩い感じがしました。
防水では、はじめてのローラー作業。外壁を塗ったことで、少しはローラーの腕も上がっただろうかなどと考えながらクロスの上を転がしていきます。クロスは伸びるようなので、だんだんと微妙に斜めになってきていたので、少し持ち上げて位置調整です。端にはどうしても若干シワが出てきていましたが、シワの下辺りにローラーを置き、少し強めに手前に引くとクロスがピンっと張られました。
どんどん作業を進めていくとバルコニーから出られるスペースがなくなるので、ある程度のところで島田にバトンタッチ。
バルコニーの寸法通りに裁断したクロスですが、かなり伸びやすいのか端っこがけっこう余っていました。伸びた部分やドレン穴部分を切って端まで仕上げます。
が、ここで疑問が湧きます。どうやって床に足をつけず、先端までクロスを張ってウレタンを塗布するのか?
答えは、サッシのレールに片足を乗せて、もう片足はバルコニーの笠木に膝を乗せて支えにするという方法でした。よくこんな不安定な体勢で作業ができるな~と、感心しながら見てしまいました。
クロス張りを終えたら、お昼休憩に入ります。
買い出しなどでコンビニに行くのですが、この現場から一番近いコンビニは徒歩だと距離があるので車で連れて行ってもらいます。
お宅を南下していくと県道102号荏田綱島線に出るので、その少し先にあるセブンイレブン横浜牛久保1丁目店へ。
職人の竹内や曽根はお弁当持参ですが、島田は自分と曽根の分のカップ麺を(曽根はよく食べますね 笑)
買ってお昼にする様子。
車内に戻り、お湯を入れたカップ麺をドリンクスタンドに置いて車を発進。
今回の施工や防水のことなどについて和気あいあいと会話中、坂道を上っているときだったでしょうか、
車がガクンと少し揺れたなと思ったら、ドリンクスタンドに置いていたカップ麺が斜めになってこぼれる事態が発生。
わたしは助手席にいたのでびっくりしましたが、幸いお湯が少しこぼれて荷物にかかっただけだったので一安心。
その後は別のところに置いてあった缶コーヒーが倒れるなど、ハプニングが続く買い出しでした…(^_^;)
島田の名誉のために言っておきますが、彼の運転が荒かったわけではありません 笑